◇生後すぐから保湿し予防
新生児へのスキンケアが注目されている。生後すぐから行うことで肌のバリアー機能を正常に保ち、病原体やアレルゲン(アレルギーのもとになる物質)が体に入るのをブロックするのが狙いだ。遺伝子レベルの研究で、肌のバリアー機能の異常とアトピー(アトピー性皮膚炎)の発症に関連があることも明らかになっており、新生児スキンケアがアトピーの予防に効果があるかを検証する研究も始まっている。
◇表皮薄く水分不足
赤ちゃんの肌は意外にトラブルが多い。東京都内の化粧品メーカーが、乳幼児の母親約1400人に心配事をたずねたところ、3分の1以上の37・34%が「皮膚」をあげた。
肌は体のバリアー役。表面は皮脂の膜と「角質層」という厚さ約0・02ミリのたんぱく質と脂質(セラミド)の層に覆われている=図参照。健康な肌は角質層に十分な水分が保たれているが、乾燥するとセラミドが減って角質層がはがれる。その結果バリアーが壊れ、異物が侵入しやすくなる。
愛育病院(東京都港区)の山本一哉皮膚科部長は約20年前に、日常の診察から、オムツで覆われ乾燥していない部分には湿疹やアトピーが少ないことに気づいた。「赤ちゃんは大人に比べて表皮が薄く、バリアー機能などが未熟。大人よりも丁寧に、肌を清浄にして保湿するスキンケアを1日に何回もする必要がある」と指摘する。
「新生児は皮脂量が多い」などとして、国内の多くの産科・小児科では生後すぐのスキンケアは行われていない。しかし、山本医師らの07年の調査では、新生児は最初の沐浴(もくよく)後に保湿をしないと、生後24時間で額、ほお、腹部で角質層の水分量がほぼ半減し、皮脂量も減少。極めて乾燥した状態になっていた。
京都市の産婦人科クリニック「島岡医院」では、山本医師と協力して退院までの間、新生児にスキンケアを施している。生まれた翌日から、沐浴した後たっぷりのベビーローションで保湿を始める。オムツ替えや授乳など、体が汚れるたびにおしりふきで優しくふき取り、保湿を繰り返す。島岡昌幸医師は「赤ちゃんは、母親の子宮の中では羊水や体を覆う『胎脂』に守られているが、生まれた途端に乾燥が始まる。退院後もスキンケアを続けると肌トラブルが少ない」と話す。
◇アトピーに効果?
肌のバリアー機能をめぐっては遺伝子レベルの研究から、アトピーとの関連が指摘されている。英国の研究チームが06年、アトピー患者とそうでない人の遺伝子を比べ、患者は角質層の保湿など肌のバリアー機能の維持に欠かせない遺伝子「フィラグリン」に異常がある比率が数倍も高いことを突き止めた。
国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)や、大阪大病院皮膚科は10年度から、新生児の生後1週間以内のスキンケアがアトピー予防に効果があるかどうかを検証中だ。同センターの新関寛徳医師は「アトピーは遺伝病ではなく、遺伝子の異常や乾燥などさまざまな原因で肌のバリアー機能が壊れることが発症につながっているのではないか」と指摘。「アトピーには他にもさまざまな要因があるため、新生児期からの予防が必須であるかどうかはまだわからない。だが一定のスキンケアで患者を減らすことができれば、診療に与える影響は大きい」と話す。
すでにアトピーの症状がある子供たちも、しっかりとスキンケアをし、正しく薬を使うことで肌のトラブルが改善される可能性があるという。山本医師は「主治医と相談し、根気よく続けてほしい」と話している。
神経質になりすぎるのもよくないよね。
赤ちゃんの、あのキレイな肌が台無しになったのでは、
将来子供から恨まれちゃうかもしれない。